囲炉裏のあるお屋敷 安藤家住宅
安藤家住宅は今から約300年前の
宝永5年(1708)に建てられました。
その頃の日本は、5代将軍綱吉の時代。
前年の宝永4年には、
宝永の大噴火と呼ばれる富士山が噴火した年
でもあります。
ご先祖様は武田の家臣で、
17代ものあるじが住んでいたのです。
こたつもガスも無い時代
この囲炉裏(ヒジロ)は家族団欒の場所。
でも、座る位置はちゃんと決められていました。
あるじが座る「横座」、
奥さんが座る「カカ座」
長男やお客さんが座る「客座」
それ以外の人は「下座」
それぞれ指定席があるのです。
そして、囲炉裏は神が宿る神聖な場所。
「火」を絶やさず、安全に守ることが
その家の家運を導くとされていたのです。
囲炉裏には、たくさん家族の秘められた
想いがあったんですね。
自在鍵の魚クンも神と人間をつなぐ役目を
する大切なもの。
その家が火事で消失しないよう
水の神が火の番もしていたのです。
昔の人って厳しい時代だからこそ
発想や想いが豊かになるのですかね。
日本の伝統文化はさまざまな場所で
生き続けています。
廊下、縁側が雨戸の内側にある「内縁」です。
安藤家住宅の敷地は約1300坪。
長屋門、中門、式台付玄関、主屋、
蔵、茶室、日本庭園と格式のある
屋敷構は「家」の品格を著しています。
追伸・・囲炉裏の位置ですが、復元の際
土間付近に移設されました。